外反母趾の痛みがあるのに、
「なんとなく靴を選んでいる」
という方は意外と多いです。
しかし、靴の選び方を間違えると、痛みが悪化する原因になることもあります。
この記事では、
・外反母趾を悪化させる靴のNGポイント
・正しい靴の選び方
を分かりやすく解説します。
このブログを書いている人はこんな人

足ケア理学療法士スグル
理学療法士として15年臨床現場で働きながら、看護師さんや販売員の方など、立ち仕事による足の疲れや痛みに悩む方に向けて、インソールや靴の選び方について情報発信をしています。
自身もオーダーメイドインソールの作成に携わっており、最適な靴やインソール、トレーニング方法について日々研鑽を積んでいます
外反母趾を悪化させる靴のNGポイント
外反母趾の方は、知らず知らずのうちに足に負担をかける靴を選んでしまっていることがあります。
まずは、避けるべきポイントを確認しましょう。
船底の靴
最近、「舟底の靴って外反母趾にいいと聞いたのですが本当ですか?」という質問を多く受けます。
「船底の靴」とは、

このように、踵とつま先が緩やかに反り上がっているような靴のことを言います。「ローリング歩行」と言って、自然に前方へ理想的な重心移動を促します、姿勢矯正や膝の負担を軽減します、というような趣旨の説明がよくされてありますが、、、
はっきり言って、こういった靴は外反母趾の方にはおすすめしません。
足ケア理学療法士清野確かに自然と重心移動を促してくれそうに見えますが、過剰に体重移動を前方に促してしまう、というデメリットも存在します。外反母趾の方が体重を前に移動され過ぎてしまうと、逆に指に負担がかかってしまい、痛みや炎症を増悪させてしまうリスクがあります。
船底の靴を履いて効果を出すためには、ある程度の指の筋力と横アーチが必要です。外反母趾の方は使用を控える方が無難でしょう。
- 前方に体重移動がされ過ぎてしまう
- 外反母趾部に負担が集中しやすい
厚底でヒールが高い靴(プラットフォームスニーカー)
ではヒールが高い靴はどうでしょうか。


上のイラストのような靴は、俗にいう「プラットフォームスニーカー」という靴で、厚底シューズとも呼ばれています。
これも最近多く見かける靴ですが、厚底+ヒールが高い靴はおすすめしません。



厚底であればあるほど、人の重心の位置は高くなり運動にかかるエネルギーも大きくなります。加えてヒールが高いため、滑り台のように重心は前方へ転びやすくなります。そうなると、先ほどの船底の靴のように、前足にかかる荷重が増えすぎるため、外反母趾に負担がかかってしまいます。
プラットフォームスニーカーはデザインやファッション性に富んだ靴です。
外反母趾の方は基本的には「3〜5センチ程度の厚さの靴底+低ヒール」がおすすめです。
- 5cm以上のヒール
- つま先に体重が集中してしまう
先が細い靴(ポインテッドトゥ)
つま先が細く尖った靴は、足の指を圧迫し、親指を内側へ押し込む力が強く働きます。
これは外反母趾を進行させる大きな原因のひとつであるため、使用を控える方が良いでしょう。


- 指が自由に動かせない(横アーチの低下)
- 親指が常に圧迫される
- 長時間履くと痛みが増す
デザイン性がよくても、足の先が細い靴は足には負担が生じることを念頭に入れて選びましょう。
フィットすぎる靴
意外と多いのが「サイズの思い込み」です。ピッタリフィットしていた方が履きやすいと勘違いされている方が多いように思えます。
靴選びでは「捨て寸(つま先の余裕)」が重要です。目安としては、つま先に約1cm前後の余裕がある状態が理想です。
これより狭いと指が圧迫されやすく、逆に広すぎると足が前に滑ってしまうため負担がかかります。



外反母趾用と謳っている靴でさえ、足へのフィット感が強い靴があります。外反母趾の方においては「フィット感」というよりもむしろ、つま先に適度な余裕が必要です。
- 小さい靴→圧迫で悪化
- 大きい靴→足が前滑りして指に負担増
「少し余裕があるけどブカブカではない」状態を意識しましょう。
クッション性がありすぎる靴
一見、クッション性がある靴は足に優しいイメージがありますが、外反母趾の方は「クッション性がありすぎる」靴はおすすめしません。



どうしてクッション性がある靴は外反母趾によくないの?



適度なクッション性はもちろん必要です。しかし想像してもらいたいのですが、柔らかい地面って歩きやすいでしょうか?マットの上を歩くとき、転ばないように指に力を入れて歩くと思います。それが外反母趾の方にとって炎症や負担が生じてしまいます。
「クッション性」をアピールした靴やインソールはたくさんありますが、使い方を間違うと逆に外反母趾を悪化させてしまう可能性があります。
どのようにしてクッション性を確認すれば良いかは、この先の「靴の選び方」の方で詳しく説明していますのでぜひご覧ください。
- 親指の付け根に負担集中
- 長時間歩くと炎症の原因に
素材が硬く伸びない靴
革や合成素材でも、硬くて伸びないものは足の形にフィットしません。
- 足に馴染まない
- 圧迫部分がそのまま固定される
- 長時間履くほど痛みが出やすい
特に立ち仕事では、動きが少ない分ずっと圧迫され続ける状態になるため注意が必要です。
- 硬い合成皮革(PUレザーなど)
- 厚くてコシが強すぎる素材
- 伸縮性のないメッシュ素材
見た目はキレイでも、足に合わせて変形しない素材はNG
- 柔らかい天然皮革(本革・シープレザーなど)
- ストレッチ素材(伸縮性のある生地)
- ニット素材(最近増えてるタイプ)
「触ったときに柔らかく、軽く押すと少し伸びる」くらいが理想です。



新品の状態で「少し余裕がある・柔らかい」と感じる靴を選びましょう。「履いていれば伸びる」は、外反母趾の場合はリスクになります。
外反母趾を悪化させない靴の選び方
外反母趾の痛みを軽減するためには、靴選びを見直すことがとても重要です。ここでは、外反母趾を悪化させないために意識したいポイントを解説します。
クッション性を確認する(かなり重要‼︎)
先ほどの記事にも書きましたが、よくある間違いは、クッション性があり過ぎること。大抵の方は、クッション性がある靴が良いと思い込んでいる場合が多いです。
確かに、歩いたり立ち仕事をする上でクッション性は重要ですが、あり過ぎると逆に足に負担がかかってしまう場合があります。
では、どうやってクッション性を見極めればいいのでしょうか?
それは、靴自体のクッション性とインソールのクッション性をそれぞれ確認することで解決できます。



まず重要なのは、靴自体のクッション性を確認すること。次の画像を見てチェックしてみてください。


・「クッション性あり」と判断した場合
→インソールは硬めのものを選ぶ
・「クッション性なし」と判断した場合
→インソールは柔らかめのものを選ぶ
クッション性が高い靴に、さらに柔らかいインソールを入れてしまうと、足元が不安定になりやすくなります。
特に外反母趾の方は、足がブレやすくなり負担が増えることもあるため、硬めのインソール(SuperFeet GREEN)でバランスを取るのがおすすめです。
逆に、クッション性が少ない靴の場合は、柔らかめのインソールを使うことで、足裏への衝撃を和らげやすくなります。長時間の立ち仕事や歩行が多い方には、ジェル系インソール(ドクターショール ジェルアクティブウォーキング)もおすすめです。
踵(かかと)の芯がしっかりしたものを選ぶ
一般的に靴の踵部分には、「かかと芯」といった踵の安定性を高める重要な構造が存在します。





人の踵の骨は丸くなっているため、踵部分が不安定だと左右へのブレや扁平足・外反母趾を助長してしまう可能性があります。
決してかかとを踏んだりせず、かかと芯をなるべく潰さないように履くことが重要です。
そのため、靴を選ぶ際はかかとの芯が硬く安定しているものを選ぶ方が良いでしょう。
靴全体の強度(踏まず芯)を確認する
靴の「芯」は踵だけではなく、土踏まず部分にも存在しています。それが「踏まず芯(ふまずしん)=別名:シャンク」と呼ばれるものです。


踏まず芯は、靴自体の強度と大きく関連があります。
靴を前後から掴み左右へ捻ってみて、元に戻ろうとする力が大きいもの(踏まず芯が強固のもの)を選びましょう。
つま先に余裕のあるデザイン(ラウンドトゥ・スクエアトゥ)を選ぶ
外反母趾の方は、**つま先にゆとりがある靴(ラウンドトゥ・スクエアトゥ)**を選びましょう。
指が自然に広がることで、圧迫を防ぎ、痛みの軽減につながります。
細いポインテッドトゥは避けるのが基本です。


捨て寸(つま先の余裕)・足幅を確保する
靴選びでは「捨て寸(つま先の余裕)」も重要なポイントです。
購入時に簡単にできるチェック方法をご紹介します!


つま先に約1cm前後の余裕がある状態が理想で、これにより指の動きが確保され、圧迫を防ぐことができます。狭すぎると痛みの原因に、広すぎると前滑りして負担が増えるので注意しましょう。
結局どの靴がいいの?と思った方へ



うーん、難しくて結局どの靴を選べばいいの?



難しいと感じた方は、次の記事でおすすめする靴を購入してみてください。


ここでおすすめしている靴は外反母趾の方にとって良いと思われるものを厳選しています。
是非一度試してみてください。
まとめ
外反母趾の痛みを悪化させないためには、日々履く靴選びがとても重要です。
特に意識したいポイントは以下の通りです。
- 船底の靴
- 厚底でヒールが高い靴
- 先が細い靴(ポインテッドトゥ)
- フィットすぎる靴
- クッション性がありすぎる靴
- 素材が硬く伸びない靴
これらを意識するだけでも、足への負担は大きく変わります。



「なんとなく靴を選ぶ」から「足に合わせて選ぶ」へ。
この意識を持つことで、外反母趾の痛みは軽減しやすくなります。
また、靴だけで調整が難しい場合は、インソールを活用するのも有効な方法です。
おすすめのインソール、インソールの選び方に関する記事は以下をご覧ください。




外反母趾は、放置すると痛みが強くなるだけでなく、歩き方や姿勢にも影響します。
無理に我慢するのではなく、今のうちから適切な対策を取り入れることが大切です。
まずは「靴選び」と「インソール」から見直してみてください。
今回は以上です!
最後までご覧いただきありがとうございました!

